【IPO用語解説】親引けって何?

以前の記事では「IPO株はどうやったら買える?」ということで、IPO投資の流れについて説明しました。

IPO株について調べていたら、目論見書の中に「親引け」っていう言葉が出てきたけど、これは何?
う~ん、「親引け」って文字だけを見ても、全く想像つかないんだけど…

ということで、この記事ではIPO投資で出てくる用語の一つである親引けについて、一般的な事例を用いて説明します。

 

<この記事を書いている人>
さなじん
さなじん

IPO実務検定上級レベル合格者、上場企業でのIR・経理・経営企画経験、IPO実務経験、そしてIPO株経験のある「さなじん」が書いています。

 

親引けとは?

では早速、IPO(新規上場)における親引けとは何か?簡単にいうと次のような感じです。

親引け(おやびけ)とは、引受証券会社新規上場会社指定する人に株券を売ること

  

より具体的に言うと、新規上場会社が上場に際して新しく発行する株式は、そのほとんどを主幹事証券が引き受けるのですが、その一部を従業員持株会(会社の指定する人)に売ることがあり、これが親引けのよくある事例です。

 

IPO時に親引けを行う会社の場合、「新株式発行並びに株式売出届出目論見書の訂正事項分(第2回訂正分)」というものに親引けの情報が載っていますので、確認してみてください。目論見書は、慣れるまでは、ちょっと読みにくいかもしれませんが(^_^;)

 

親引けが行われる理由

では、なぜ親引けが行われるのかについて、証券会社、上場企業、従業員持株会、3者の観点から見てみます。

 

証券会社にとってのメリット

証券会社にとっては、引き受けた株式の一部を確実に売りさばくことができます。

主幹事証券は多くの株式を新規上場企業から引き受けますが、それを投資家に売るのが仕事です。

しかし、人気のないIPO株の場合、売りさばくのに苦労するようです。しかし親引けでその一部だけでも引き受けてくれる人がいれば、売る労力は減りますよね。

 

新規上場会社にとってのメリット

新たに上場する会社にとっては、安定株主を確保できるというメリットがあります。

株式上場するということは、誰でもその会社の株主になれるということです。新たに株式を発行すると、新たに株主となる人が増え、当然ながら会社の社長(創業者)や役員など、安定株主と呼ばれる会社関係者が持っている株式の持株比率は下がります

会社としては、株主総会で賛成票を多く獲得したり、買収などをされないために、安定株主を多く確保しておきたいのですが、親引けによって従業員持株会という安定株主を確保することができます。

 

従業員持株会にとってのメリット

最近はIPOが人気なので、初値が公募価格を上回ることが多くなっています。

株式公開後従業員持株会が株式を買う場合、一般的には市場から購入することになりますが、人気のある株式の場合、株価が初値の何倍にもなっている、ということも。

一方、親引けの場合、従業員持株会は一般的に、抽選でIPO株に当選した人と同じ値段で買うことになります。つまり、上場後に市場で購入するよりも安く買える、かもしれないのです。

 

個人投資家にとってのメリット・デメリット

では親引けは、われわれ個人投資家にとってメリット・デメリットはあるのでしょうか。

 

デメリット:売出し株式数が減る

先に記載したとおり、親引けは証券会社が引き受けた株の一部を割り当てますので、個人投資家の抽選に回る株式数が減ってしまうことになります。

ただでさえ、IPO株は抽選になるほど人気なのに、親引けによって抽選対象となる株式が減り、ますます高倍率になってしまい、当選が難しくなってしまいます。

 

メリット:上場後に株価を支えてくれる

IPO直後は、IPOに当選した人が利益確定のため株式を売却することで、初値から株価が下がることがあります。また、ベンチャーキャピタルなどの大株主が、ロックアップ解除後に市場で売却を始めると、同じく株価が下落してしまいます。

一方、親引けで株式を購入する従業員持株会は、一般的にロックアップと言って180日間株式を市場で売ることができません。また、従業員持株会は安定株主としての役割もあり、ロックアップ解除後も市場で株式を売ることは考えにくいです。

ということで従業員持株会株価の下支えの役割をする、と言われています。

 

今回はIPOにおける親引けについての説明でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

注意
・本記事は情報の提供を目的としており、金融商品の勧誘を目的とするものではありません。
・IPO株の購入等に際しては、対象企業の目論見書等をご確認の上、ご自身の判断でお願いします。

 

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