【IPO用語解説】オーバーアロットメントって何?

以前の記事では「IPO株はどうやったら買える?」ということで、IPO投資の流れについて説明しました。

IPO株を検討していたら「オーバーアロットメント」っていう言葉が出てきたけど、これは何?
オーバーアロットメント」って個人投資家にとってメリットはあるの?

ということで、この記事ではIPO投資で出てくる用語の一つであるオーバーアロットメントについて説明します。

 

<この記事を書いている人>
さなじん
さなじん

IPO実務検定上級レベル合格者、IPO企業での新規上場実務経験、上場企業でのIR・経理・経営企画、そしてIPO株経験のある「さなじん」が書いています。

 

オーバーアロットメントとは?

では早速、IPO(新規上場)におけるオーバーアロットメントとは何か?簡単にいうと次のような感じです。

オーバーアロットメントとは、ブックビルディング後に行われるIPO株の追加販売のこと

 

overallotmentという文字には、overは「…を超えて」、allotmentは「割り当て」という意味があります。

 

オーバーアロットメントの流れ

オーバーアロットメントはいつ決定されるか?

IPO(新規上場)の流れについては「IPO株はどうやったら買える?」という記事で、STEPで解説しているのでご覧ください。

今回説明するオーバーアロットメントの実施が決定されるのは、ブックビルディングの後です。

 

ブックビルディングについては「【IPO用語解説】ブックビルディングって何?」という記事でも解説していますが、需要申告といって、「新規上場する株式を買いたい人はどれくらいいますか?」というような感じで、投資家の需要を確認します。

このブックビルディングで、「株を買いたい!」という人が多くいた場合に、投資家の需要に応えるためオーバーアロットメントの実施が決定され、IPO株の追加売出しが行われることになります。

 

なお、オーバーアロットメントの実施が決定された場合、目論見書の第2回訂正分というものにオーバーアロットメントの内容が記載されます。

ただ、目論見書は読みにくいと思いますので、概要であれば取引所の新規上場会社情報(東証のページはこちら)や証券会社の各IPO会社情報ページ、IPO情報サイトなどでも確認できますので、確認してみてください。

 

オーバーアロットメント株式の流れ

では、オーバーアロットメントで追加売出しされる株式はどこから出てくるのかというと、一般的に主幹事証券会社会社の社長(または大株主)から一時的に株式を借りる、という形をとります。

そして、追加売出しされる株式は、当初の募集・売出し時と同じ条件で投資家に販売されます。(追加募集だからといって、値段が高くなったり、逆に安くなったりということはありません。)

なお、この追加販売される株式は、募集・売出し株数の15%が上限数となっています。

 

オーバーアロットメントは追加申し込みが必要か?

15%も追加売出しされるということは、もう一度ブックビルディングでの抽選申し込みが必要なの?

と思われるかもしれませんが、オーバーアロットメント分に関しては追加のブックビルディング・抽選申し込みはありません

当初の募集・売出し時の抽選申し込み(ブックビルディング)で抽選が行われます

オーバーアロットメントによるメリットは?

では、オーバーアロットメントが行われることにより、どんなメリットがあるのでしょうか?

個人投資家にとってのメリット

オーバーアロットメントが実施されるということは、売出しされる株式が増えるので、個人投資家にとっては抽選の当選確率が上がるということになります。

ただし、追加売出し分の全株が抽選者用に回るわけではないと思われますので、抽選倍率によっては、気持ち程度の当選確率アップかもしれません…

 

証券会社にとってのメリット

主幹事証券会社にとっては、オーバーアロットメントの実施によって引受株式数が増えるので、手元に入る引受手数料も増えることになります(他にもグリーンシューオプションというメリットがありますが、この記事では説明を省略します)。

 

上場する会社・大株主にとってのメリット

オーバーアロットメントが実施されるということは、その株式が人気だという証しになりますので、新たに上場する会社や上場前から株式を持っている大株主にとっては、上場後も株価の維持が期待できます。

また、オーバーアロットメントの実施により流通株式数が増えることになりますので、流動性の向上株価の安定につながります。

 

加えて、オーバーアロットメントに付随して第三者割当で新株式を発行する場合(グリーンシューオプションと言います)、会社にとっては追加での資金調達を行うことができます。

 

オーバーアロットメントによるデメリットは?

先ほど書いたようにオーバーアロットメントが実施されると、上場後に市場で流通する株式数が増えるので、株価の高騰を抑える効果があり、株価が乱高下しにくくなります

IPO株に当選し初値売却を考えている株主や、ベンチャーキャピタルなどの大株主は高値で売りたいと思いますので、これらの人にとってはデメリットになると思われます。

また、流通株式数が増えるということは、オーバーアロットメントがない場合よりも、株式を初値で売りたいという人が増え、売り圧力が強まる(つまり株価下落要因ですね)ことが考えられます。

 

さいごに…

ということで、今回はIPOにおけるオーバーアロットメントについての説明でした。

なお先ほど、オーバーアロットメントの株式は、主幹事証券会社が会社の社長(創業者)から一時的に株式を借りると説明しましたが、当然ながらこの借りた株式は返さなければなりません

このオーバーアロットメントによって借りた株式を返す方法として、シンジケートカバー取引グリーンシューオプションがありますが、これらについては別の記事でご紹介したいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

注意
・本記事は情報の提供を目的としており、金融商品の勧誘を目的とするものではありません。
・IPO株の購入等に際しては、対象企業の目論見書等をご確認の上、ご自身の判断でお願いします。

 

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