【IPO用語解説】グリーンシューオプションって何?

以前の記事では「【IPO用語解説】オーバーアロットメントって何?」ということで、オーバーアロットメントについて説明しました。

また、「【IPO用語解説】シンジケートカバー取引って何?」の記事では、シンジケートカバー取引について説明しました。

オーバーアロットメントとシンジケートカバー取引については何となく分かったけど「グリーンシューオプション」というものもあるようなんだけど…
グリーンシューオプション」って何? 抹茶味のシュークリーム? 靴に塗るクリームのこと?

ということで、この記事ではIPO投資で出てくる用語の一つであるグリーンシューオプションについて説明します。

 

<この記事を書いている人>
さなじん
さなじん

IPO実務検定上級レベル合格者、IPO企業での新規上場実務経験、上場企業でのIR・経理・経営企画、そしてIPO株経験のある「さなじん」が書いています。

 

グリーンシューオプションとは?

では早速、IPO(新規上場)におけるグリーンシューオプションンとは何か?簡単にいうと次のような感じです。

グリーンシューオプションとは、オーバーアロットメントが実施された場合に、大株主から借りた株式を返すため、主幹事証券会社が会社から株式を発行してもらうか、大株主から株式を買取ることができる権利のこと

 

英語ではGreenshoe Optionと書きます。Greenshoeとは、このグリーンシューオプションを最初に利用した会社の名前だそうです。Optionは「選択権」というような意味です。

ご注意
株式の発行に関係していて、株価が好調な時に使われることから、「グリーン イシュー オプション」と覚えてしまう方がたまにいらっしゃいますが、イシューではありませんので、ご注意ください。

  

グリーンシューオプションはどんな時に行われる?

グリーンシューオプションが必要な理由

IPO(新規上場)の流れについては「IPO株はどうやったら買える?」という記事で、STEPで解説しているのでご覧ください。

 

また、オーバーアロットメントについては「【IPO用語解説】オーバーアロットメントって何?」という記事でも解説していますが、

ブックビルディング後に行われる株式の追加売出しで、主幹事証券会社会社の社長(または大株主)から一時的に株式を借りる

というものでした。

 

当然ながら、新規上場する会社の社長さんから借りた株式は、その社長さんに返さなければなりません

借りた株式を返す方法として、グリーンシューオプションシンジケートカバー取引があるのです。

 

グリーンシューオプションはいつ行われるか?

このグリーンシューオプションですが、主幹事証券会社が権利行使できる期間が決まっています。

その期間は、正確に言うと「募集又は売出しの申込期間が終了する日の翌日から最長30日間」となりますが、IPOの場合はざっくり言うと

上場日当日から30日ぐらい

となります。実際は30日より少し短いです。

 

グリーンシューオプション取引はどのような株価の時に行われるか?

シンジケートカバー取引はどのような場合に行われるかを簡単に言うと、IPO株が上場した後、株価が次のようになった場合に行われます。

引受価額 < 株価

 

ここでいきなり引受価額という用語が出てきましたが、簡単に言うと、引受価額とは主幹事証券が上場する会社から売り出す株式を引き受ける時の金額です。

別の言い方をすると、主幹事証券が会社から株式を売ってもらう時に、会社に対して払う金額です。

一般的に引受価額公募価格(IPO株の抽選に当選した人が払い込む金額)よりも少し安いです。

 

グリーンシューオプションの例

さて、本題に戻りますが、たとえば引受価額950円だったとして、上場後の株価が950円を下回らず、ずっと1,500円ぐらいで推移していたとします。

主幹事証券はオーバーアロットメントで社長さんから借りた株式を返さなくてはなりませんが、株式市場から株式を調達しようと思うと、1,500円も払わなければなりません

しかし、グリーンシューオプションは、主幹事証券が引受価額である950円で、新規上場した会社(または大株主)から株式を調達できる権利(オプション)を持っているのです。

主幹事証券はグリーンシューオプションという権利を行使することで、社長さんに返す株式を手に入れられるだけでなく、公募価格(たとえば1,000円)と引受価額(950円)の差額も得られるのです。(おいしい商売ですね…)

 

グリーンシューオプションが行われない場合はどんな時?

主幹事証券会社はシンジケートカバー取引の状況によっては、グリーンシューオプションを全く行使しない、または一部しか行使しないこともあります。

 

グリーンシューオプションの株式市場への影響は?

グリーンシューオプションの内容確認方法

グリーンシューオプションには、行使できる株式数の上限があります。

募集・売出し株数の15%が行使上限数

 

オーバーアロットメント(追加売出し)とセットでグリーンシューオプションは行われますので、その内容は【IPO用語解説】オーバーアロットメントって何?にも書いるように、目論見書(の第2回訂正分まで)を読んでいただくと、詳しく記載してあります。

ただし、目論見書は読みにくいと思いますので、取引所の新規上場会社情報(東証のページはこちら)に会社概要とともにオーバーアロットメントについて載っています。

オーバーアロットメントのところに書いてある株数が、グリーンシューオプションで権利行使される最大株数目安にはなると思います。

 

グリーンシューオプションの効果は?

グリーンシューオプションの行使により、第三者割当という形で新規上場した会社から証券会社に新たに株式が発行されます。

つまり新株発行による株式の希薄化(1株当たりの株式価値低下)につながります。

 

一方でオーバーアロットメントによって、当初予定よりも最大15%多い株式が市場に供給されます。

株価が低調な場合に実施されるシンジケートカバー取引であれば、最大15%の株式が引き揚げられることになりますが、グリーンシューオプションの場合はこの引き揚げが行われません。

主幹事証券がグリーンシューオプションを行使することにより、実質的には社長さんが持っているはずだった株式が市場に出回ったままになります。

つまり、流通株式数が増えることで、株式の流動性(売買のしやすさ)増加や株価の安定化につながります。

 

また、新規上場する会社にとっては、実質的には市場から資金調達をしたことになりますので、その資金を事業に投資し、さらなる会社の発展につなげることが可能となります。

 

グリーンシューオプションの結果はどこで確認できる?

グリーンシューオプションが行使された場合、その結果も取引所のサイトで公開されております。

東京証券取引所の場合、「シンジケートカバー取引等完了報告書」というページに載っていますので、興味ある方はご確認ください。

 

さいごに…

ということで、今回はIPOにおけるグリーンシューオプションについての説明でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

注意
・本記事は情報の提供を目的としており、金融商品の勧誘を目的とするものではありません。
・IPO株の購入等に際しては、対象企業の目論見書等をご確認の上、ご自身の判断でお願いします。

 

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